スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【資料】 平成24年6月27日:殺人電力総会記録

2012年06月27日 22:43

6.27‥この日が日本の歴史の中で重要な日となるのは議論を待つ必要すら無い殺人電力株主総会が本日行われ、事実上誰も責任を取らぬまま“民間企業の株主総会”と言う場で国税垂れ流しの国有化が事実上決定した。

極めて遺憾な話である、ヲレはこの日を大東亜後日本の民主主義と法治主義崩壊の日と命名したい。

又、今一つこの日を表現するなら“大東亜戦後日本を象徴する日”とも言えるであろう、曰く無責任その場凌ぎで戦後日本が怠惰に存続した結果としてこの表現は的確と断言せざるを得ないからだ。

さて、肝心の中身だが、総会所要時間5時間31分、誰一人責任を取らず、それどころか責任回避に終始し、一方責任追及すべき者も表面的な事ばかり“追求”したり、時には感情論を経営陣に投げる事はするが、この企業が“公益事業”を担うと言う観点から鑑みる事の本質については何が怖いのか翼賛的に皆様ダンマリ、当然今後のこの企業や日本の電力行政に対する提案めいた事すら無い、つまり出席者全員が責任逃れに終始し、その為に他者に責任擦り付けの結果として、何ら中身無きと指弾して全く差し支え無き“議論”しか無かったと言う、ヲレは既に想定範囲内の話でも流石に“想定”が“現実”となるとヘコむのである。

この文書は提灯と指弾して差し支え無きこの“総会”で誰が何を得たのか?と言う観点で読んで欲しい。


最後に、日頃散々コキ下ろす産経だが、この記事の公開については素直に感謝したい、完全全編記録か否かは知る由も無いが要旨としてでも十分歴史資料としての価値はあると思う。

※全16項目、頁数数えてないが一項目辺り平均3項目と言う長文であり、リンク数も半端無いのでオリジナルを閲覧希望の人は此処から読み始めて欲しい。



 東京電力の定時株主総会が27日、東京都渋谷区の国立代々木競技場第1体育館で始まった。福島第1原子力発電所の事故の責任を取り、勝俣恒久会長や西沢俊夫社長らが退任し実質的に国有化されることなどが正式に決まる。総会には東電の筆頭株主となっている東京都の猪瀬副知事が出席し、会社の定款に情報公開を加える提案をするほか、株主からは厳しい質問が相次ぐ見通しだ。

 《勝俣恒久会長の福島第1原子力発電所の事故に対してのおわびで総会は幕を開けた。3112人(10時現在)の株主が会場に詰めかけ、厳しい目を向けている》

 勝俣会長「再び社会の皆様の信頼を取り戻せるよう最大限の努力を傾注します。株主には、無配の継続をお願いしますが、引き続きご支援を」

 《勝俣会長ら経営陣が頭を下げ、議決権の数などが説明されていった。続いて西沢俊夫社長が事業報告を始めると、株主が大声を上げ、議長の勝俣会長が制する場面も。西沢社長は福島第1原発の廃炉に向けた見通しや、資産の売却などの合理化について説明。さらに、電気料金の値上げについて説明する段階にさしかかると、株主から反対を表明する大声が上がった》

 《続いて、西沢社長は平成23年度の業績などを説明していく。最終赤字が7816億円に上った状況などを報告した》

 《監査役会の報告が終わり、報告の終了を告げた。勝俣会長が議案の提案を始めると、株主から大声が上がり始めた。勝俣会長はそれを遮るように声を大きくしていく》

 《株主から、『動議! 動議!』が連呼されると、勝俣会長は『挙手をお願いします。マイクで動議を』と告げた》

 男性株主「なんで、動議を無視するんですか。あなたは議長の資格がない。議事進行に関する動議を2本出します。本株主総会は、今までとは全く違う。実質国有化されるわけです。本株主総会において、重要な審議をしないといけないのに、今までの株主総会と違って、議案審議と一般質問を一緒にしちゃうという、こんなばかな話はない」

 「一般質問は取締役が質問に答えないといけない。議案と一般質問を一緒にするのはナンセンス。なぜ今回は今までとやり方を変えるのか。今回こそきちんと説明すべきだ。説明書にあった定款の変更、種類株主総会と書いてある。もし、定款を通したとすると、株主総会の意味が無くなる可能性がある。これが本当かはきちんと審議しないと。議案一つ一つを丁寧に説明すべき総会だ。東京都からも株主提案がされている。ところが一般質問と一緒にできるわけではない」

 勝俣会長「質問は後でお受けします。動議をお願いします」

 男性株主「動議の説明をしているのになんで分からないんだ。一般質問と議案の審議、採決を一緒にするのはおかしいと言っている。例年通りの議事進行を。できないなら理由を説明してほしい。大株主の意見を聞きたい。これが一つ目の動議です」

 《男性株主の動議が続く》

 男性株主「2つめの動議は議長の交代です」

 《拍手が起こる》

 「公正・公平な進行ができていない。データ改竄(かいざん)などがあって社長に就任して以来、勝俣さん、あなたは責任をとっていない。福島(第1原発)事故についてもまったく責任をとっていない。いかに勝俣さんや取締役が理不尽なのか。だから議長を代わってほしい。誰に代わるか、筆頭株主(である東京都)の猪瀬(直樹副知事)さんです」

 《大きな拍手が起こる》

 勝俣恒久会長「個別審議方式の動議が提出された。私としては本年は、すべての議案を一括して審議すべきだと思うが、提案します。賛成の方は挙手を。反対の方は挙手を」

 《ヤジが飛ぶ》

 勝俣会長「反対多数とみなします。よって否決されました。続いて2つ目の議長交代についてですが、私としては議長を続けさせていただきたい。ただいまの動議に賛成の方は挙手を。反対の方は挙手を」

 《ヤジと拍手が交錯する》

 勝俣会長「反対多数とみなします。よってただいまの動議は否決されました。議案の上程に移ります。会社提案の第1~4号議案を提出し…」

 《勝俣会長の発言中、再び動議が出され中断。動議を出した男性株主が質問に立つ》

 男性株主「1つは日本中からこの株主総会は注目されている。この会場からNHKも近いのだから生中継すべきではないか。2点目は、今みたいに(動議の賛否について挙手の)カウントをとっていない。よって総会監査役の選任をお願いしたい。それから(福島第1原発の)廃炉の費用が少ない。廃炉費用が増えれば実質債務超過になるのではないか。詳細な説明を聞きたいので『会計監査員』に出席してもらいたい」

 勝俣会長「ただいまマスコミ出席の動議が出されたが、私としては必要がないと思いますので否決します。続いて総会監査役の選任の動議が出されました。賛成の人は挙手を…」

 《その後の2つの動議も、会場に挙手を求めた勝俣会長が「反対多数と認めます。よって否決されました」と一蹴される》

 勝俣会長「それでは会社提案の議案について経緯について説明します」

 《(1)原子力損害賠償支援機構による第三者割当増資など定款変更(2)第三者割当の募集事項決定を取締役会に委任(3)発行可能株式総数を64億株、141億株に引き上げ(4)下河辺和彦新会長ら11人の取締役選任-。勝俣会長が会社提案の議案を説明するが、「動議」の声が飛ぶ》

 勝俣会長「ご発言については後ほど承ります。ご静粛にお願いします」

 《続いて株主提案の5号議案を提出した男性株主が登壇する》

 男性株主「震災時に日銀の金庫と5つの壁に守られた原発は安心だと思っていた。しかし、(東電は)原発が安心かどうかを、知っているのにもかかわらず知らないふりをした。除染などの費用は、当社が負担すべきものなんだ。株主だから株価は下がってほしくないが、放射性物質の除去費用や廃炉費用がBS(バランスシート)に引き当てていない。何から何までひどい。ゼロから本当に生まれ変わるために『東京電力』の社名を変えて『関東電力』にする。廃炉にするまでにどれだけお金がかかるか。穴の開いたバケツのように、(費用が)じゃじゃ漏れ。しかし、福島を元の状態に戻さなければいけない。そのためには生まれ変わる覚悟でやってほしいということで商号変更の提案をした」

 勝俣会長「第6から第9号議案を上程させていただきます。ご説明をお願いします」

 猪瀬副知事「猪瀬です。出席番号は10495。福島第1原発事故。その後の電気料金の値上げによって東電への信頼は大きく揺らいでいます。一度失った信頼を取り戻すことは容易ではありません。東電は不退転の覚悟で自らの改革に取り組まないといけない。東京都は4項目の株主提案を行います」

 《株主から大きな歓声と拍手があがる》

 「これまで東京都のホームページなどで賛同をお願いしている。ぜひご賛同をお願いしたい。東電は、経営の透明性や説明責任を果たすことが今後の鍵となります。定款について問題があるのでこれから申し上げる」

 「第6号議案です。『社内における競争原理の導入等により、低廉かつ安定した電力を供給し、顧客サービス第一を使命とする』と経営理念に盛り込むことを提案する。東電自ら再建に向けた決意を内外に示すべきで、会社の憲法である定款に明記しなければいけない。ところが、定款では相変わらず、不動産の売買、労働者派遣事業など、電気事業に関係のないものが第2条が書いてある」

 「こういう電気事業に関係ないものは、なぜ今回削除しなかったのか。電気事業に関係ないものはたくさんある。不必要なものは売却しないといけない。なぜ定款できちんと記入しないのか。本当にこれからゼロからもう一回やっていくためには、そういう気持ちになっていかなければ東電の本当の改革はできない」

 《株主から大きな拍手が起きる》

 「今日の報告書で平成24年度から10年間で3兆円を超えるコスト削減を実施していくと記入されているが、去年の暮れまでは2兆数千億円だった。東京都が指摘した結果、3兆に約7000億円増えた。自らの改革の意識が大事だ」

 「7号議案に移ります。7号議案は、料金の算定プロセス経営の透明性を確保することを定款に定めるということ。東電は突然の値上げを発表したが、値上げの根拠は燃料費が上がるということだけだった。東電の担当者に説明を求めたが、常に情報を小出しにする。そこで東電の有価証券報告書に子会社が40社あるから出せと言ったら、そのほか128社と書いてある。その168社に東電のOBはどれくらい天下りしているのかと聞いたら110人ですと言ってきた。それに時間がかかった」

 「東電は初めからそういう情報を小出しにするということを申し上げている。料金の算出の根拠について聞いていたときに、東電社員の冬のボーナスはどうなるのかと聞いた。出さないのが普通ですよ。破綻して経営再建した、りそな銀行はボーナス4回出なかった。JALは3回出なかった。少なくとも、りそなやJALと同じことやらないと自ら身を削るとは思われない」

 「第8号議案は政府調達に準じて設備投資に競争原理を導入すべきだということです。国際標準品の使用で入札を行うなど、さらなるコスト削減をすべきです。徹底した費用対効果の検証を求めたい。コスト圧縮を達成すべきだ」

 「第9号議案。具体的にやらないといけない。老朽火力発電所について民間事業者を利用して高効率で環境負荷の少ない設備のリプレースを図るということを定款に定めてほしい。東電の多くの火力発電所が稼働開始から35年を経過している。燃料費を削減するという観点からも、東電に待ったなしの課題である」

 《猪瀬・東京都副知事の株主提案の発言が終了し、場内から拍手がおきる。女性株主が株主提案に立つ》

 女性株主「福島の現場作業員に心から敬意を表します。わたしは原発事故の被災者です。二度と(地元へ)戻れない絶望の中で、命を絶つ人があとを絶たない。苦しみや悲しみは癒えず、深まるばかりです。この事故がどれだけの悲劇を引き起こしたのか、しっかり自覚しないといけない。責任をとらないといけません。役員の方々は福島に居を移され、被災者の苦悩を感じてほしい。そうしてこそ、被害者によりそった賠償ができる」

 《発言中、場内からたびたび拍手が続く》

 女性株主「本来ならお金で償えないが、賠償をしなければならない。すみやかに賠償すべき。除染費用も東電が負担すべきです。大量の放射線を浴びながら作業する作業員、家族は健康への不安を持ち、生きなければならない。大企業の誇りを持って、社会的責任を果たしてもらうよう、株主として望みます」

 《再び拍手がおこる》

 男性株主「提案の前に、この議事進行には強く抗議する。私の事前質問の回答がないまま、やらさせていただく。震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表する」

 「12号議案で自治体との安全協定締結ですが、これは最低限の義務です。福島第1原発事故で、いくつの市町村が居住不能になっているか、ご存じですか?万一のときはいち早く、住民避難のための情報が伝えられるように、協定を結んでいたが、今回は機能しなかった」

 「(「脱・原発」を唱える茨城県の)東海村の村上達也村長は、日本原子力発電の東海第2原発について、議論する前提として『安全協定を現在のもの以外の市町村にも拡大すべき』とおっしゃっている。福井県おおい町の関西電力のような領域(市町村範囲)で合意を得るのは今後通用しない、というのは村上達也村長の言葉です」

 「(福島県の)浪江町は安全協定に基づき、(原発事故の際に)東電から通報があると思ったが、(発生から)2日間も何も連絡がなかった。(東電が)『通信手段が不調で連絡が取れなかった』というのは、小学生が言い訳に使う言葉でもない。浪江町長は『歩いてでも伝えに来い』といっている。そう思った役員はいなかったのですか? 清水さん(元社長)は浪江町から、業務上過失傷害で訴えられるでしょう」

 「先ほど、勝俣会長は『地域のご理解』といったが、その前提は安全協定ではないんですか? 放射性物質の再拡散が懸念されている、そこで私が質問したことにどういう答えがありますか。まったく答えがないのでそのままいきます」

 勝俣会長「質問が5分以上経過しましたので、短くお願いします」

 《場内ざわつく》

 男性株主「どうぞ、皆さんの賛同をお願いします」

 勝俣会長「次の株主さま、どうぞ。お願いします」

 別の女性株主「新潟から参りました。現在、柏崎刈羽原発が止まっています。福島からの避難者とともに、放射能がふらない生活を祈っています。新潟県は首都圏繁栄のためのエネルギー基地の役割を果たしてきた。電源確保のために、地方の人の暮らしを根こそぎ奪うことに、反省されているのか。(東電自身の)体質への反省もなく、『信頼を取り戻す』『生まれ変わる』と言っても、誰が信用できるでしょうか。大都市のために地方を犠牲にする体質そのものから東電は脱却すべきと考える」

 《場内から再び拍手おこる。この女性株主からは柏崎の原発の廃炉、火力発電の導入などが提案され、株主提案の説明が終わる》

 《勝俣会長から「次の株主さんどうぞ」と促され、株主提案の第14号議案について男性株主が登壇》

 男性株主「まず説明の前に、こちら開催通知に(株主提案に反対した)取締役会の意見がある。いずれも『業務執行に関わる事項で定款で定めるのは適当でない』とあるが、『業務執行』の一言で片付けられるのは納得いかない。理不尽だと思う」

 《拍手が起こる》

 「政府の電力システム改革専門委員会が、発送電分離を導入する方針を固めている。実質的な電力自由化になるだろう。また、福島第1原発事故により、原子力による電力を使いたくない消費者は増えている。多くの企業が発電事業に参入し、わが社の脅威になることは間違いない。収益悪化を回避するために電源選択制度の導入が不可欠。高いコストの再生可能エネルギーでも理解が進むはずだ」

 《男性株主は力を込めて提案する》

 「一般企業であれば、消費者のニーズを踏まえ、さまざまな商品をそろえることが不可欠。一般企業としての自覚を持って、(電源選択制度について)取締役、株主の皆さまのご賛同をお願いしたいと思います」

 《会場が拍手で包まれる。続いて15号議案の株主がマイクを握る》

 男性株主「岩手県から来ました。うちの地域もホットスポットになっていて、昨年秋には除染作業も経験した。今春には近所の店頭からワラビ、ゼンマイなどが消えた。さて、損害賠償の議案ですが、政府が実質負担しながら、窓口は東電という状態だから、中間指針以外は具体的な説明ができない情けない状態が続いている。こんなことはいつまでも許されるはずがない。このままでは政府の操り人形となり、既存株主の株価はなくなってしまう」

 《男性株主の声に熱がこもる》

 「では、自力再建のためにはどうすればいいか。発送電分離を自主的に実施し、発電事業者として再出発すべきだ。当社が国有化されないよう、この提案に賛同されることをお願いします」

 《株主提案の説明が終わり、会場が一時静まる》

 勝俣会長「各議案に対する取締役会の意見は、開催通知に記載の通りです。提案いただいた経営理念は、定款になじまないことから反対している。しかし、ご提案には総合特別事業計画で実施することになっているものもあるので、適切かつ着実に実施していく」

 「それでは質疑応答に移ります。事前に123問をいただいています。最初に副社長からご回答します。きわめて技術的なものは回答を差し控えさせていただくものもあります」

 鼓紀男副社長「まず、福島第1原発の作業員について、清水前社長の発言についてですが、一部退避させることについて検討する旨を伝えたまでで、全員撤退の旨は一切発言していません…」

 《鼓副社長らが質問者の名前とともに回答書を読み上げ、淡々と進行するが、時折ヤジが飛び“嵐の前の静けさ”を感じさせる》

 《質疑が始まる》

 勝俣会長「お一人3分以内でお願いします」

 男性株主「福島市から参りました。損害賠償について、福島県は野菜は生産王国だったが、風評被害がある。今後はおいしい果物が出てくるが、ぜひ消費を拡大していただきたい。弟が新潟に避難していたが、こちらに戻ってきてから昨年亡くなった」

 《次期社長の広瀬直己常務がこの日初めて登壇》

 広瀬常務「事故発生以来、いまなお皆さまにご迷惑をお掛けしていること、この場をお借りしておわび申し上げたいと思います。ご指摘のあった農産物の風評被害については実際に売れなくなった損害についてしっかり賠償していただきたいと思います。親族の方がお亡くなりになったことについても、事情をしっかりお聞きして対応させていただきたいと思います」

 《猪瀬副知事が再登場。会場から大きな拍手》

 猪瀬副知事「東電の資産売却にはいろんなものがある。ホームページでも売却リストあるが、東京都内の信濃町にある東電病院は載っていない。これは敷地1700坪、7階建て、122億円になる。病院の特徴は社員だけの病院で、普通の人はかかることができない。社員以外の人間は看てもらうことができない」

 「東京都では病院の監査をやるが、今回、東電病院に立ち入りしたところ、稼働していた病床は少ない。これからもこの病院は社員だけを対象に運営し続けるのか。とんでもないことであり、同時に売却資産リストになぜこれを入れなかったのか。明確にお答えいただきたい」

 《会場から大きな拍手》

 「勝俣会長にお聞きしたい。日本原子力発電の株主総会で、勝俣さんが6月29日に社外取締役に再任されると聞いているが、勝俣会長はきれいさっぱり引くべきではないか。6月の原電の株主総会では再任を辞退すべきでないか」

 《この日一番の歓声と拍手が株主から上がる》

 「報酬は10万円で少ないが、新しく東電が生まれかわるときに、今までの勝俣さんがいるとうまくいかない。本当の東電の再生を考えるなら、勝俣さんが身を引くということが重要ではないか」

 《猪瀬副知事の言葉に力が入り、勝俣会長は表情を変えない。株主からは「そうだ!」という大きな声が上がる》

 「こんな病院があること自体が意識改革になっていないということなんです。直ちに処分の仕方を示していただきたい」

 山崎副社長「東電病院の件については、職域病院として開設している病院です。何度か一般開放できないか検討しましたが、新宿区には大きな病院がいくつかあり、それは難しいといわれてきている実態だ。資産価値については把握していないのでコメントは差し控えたい。売却対象にならなかったかについては、医師が現地に赴いて医療を行っている。そういうことで当面は継続保有となっている。将来については検討課題だと思っている」

 《株主から怒号が上がり、勝俣会長が制止に入ろうとするも、怒号は止まない。ここで猪瀬副知事が再登場》

 猪瀬副知事「福島の医療業務に従事しているからという言い方だが、福島には土日に1人行っているだけだ。立ち入り検査をして実態を確認した。今時、職域病院で一般人を看ないなんて病院はない。東京に住んでいる幹部が入る病院だ。資産を売却するのは当たり前だ。東電は全然反省していない」

 《会場からは大きな拍手が上がった》

 《東京都の猪瀬副知事の再質問は、東電病院の活用方法見直しに加え、東電が出資する日本原子力発電の取締役を勝俣会長が辞する必要もあると要求。東電側が回答する》

 勝俣会長「東電病院はご指摘の点も含め、福島の医療体制も整うので、どう整備するか、検討課題として早急にしたい」

 「次に(29日株主総会予定の)日本原子力発電の私の役員就任についてですが、私は同社より取締役就任(の要請)があり、同社との関係でお受けすることにした。(語気を強め)本年についても、再任の依頼があり、引き受けさせていただくことにした」

 《場内怒号が飛び交う》

 勝俣会長「はい、次にご質問いかがでしょうか」

 男性株主「7292番、零細な個人株主でございます。株価が約10分の1になってしまいました。資産価値は10%。(東電は)1兆円の公的資金を得るが、個人株主は非常に迷惑している。最近、日本航空は飛行機がどんどん飛んでいるが、個人株主はゼロです。3500億円の利益が出ているという。そのような状態であるので、大株主がどうであろうと、個人株主のことを思って、東電は経営をしてもらいたい。株主も被害者であります。以上」

 西沢社長「社長の西沢でございます。今、お話がありましたように、株価の下落でご迷惑おかけしている。(公的資金による資本注入に伴う)希釈化などでも大変ご迷惑をお掛けする。1兆円の資本注入をするのは財務基盤を強化するのが目的。企業価値を高め、必ずや将来、皆さまのご期待に応えたい」

 《この発言には、場内から拍手も起こる》

 勝俣会長「次の株主さま」

 男性株主「4456番です。うちうちの話なのですが、本当のことを聞きたい。原発は東電がやりたくてやったんですか。自民党から押しつけられたんですか。次、2つ目。東電の社員は特殊な特権階級と思ってるんじゃないですか。新聞、テレビで(東電社員は)556万円の平均給与をもらっているとある。東電は犯罪人ですよ。556万円から2~3割給料をカットすべきですよ。もうひとつ、3つ目。議長! 何年たったら復配するんですか。あなたの腹は決まっているんですか。3つ答えてください。それから、また質問します」

 《一つ目の質問に対し》

 西沢社長「原発推進の理由ですが、国のエネルギー政策の中で重要な電源ということで、エネルギーの安定供給、経済性もあったと思う。当社も経営として進めることが環境保全などに有意義だということで進めてきた。なにとぞ、ご理解を」

 《怒号が再び。続いて2つ目の質問に応じる》

 山崎副社長「人件費の件ですが、社員については20%、管理職は25%、賞与のカットをしている。今後その方向で続ける。556万円ということでお願いしているのは、電気の安定供給など社員のモラルを維持する問題などがあるので、お願いした次第です」

 《3つ目の質問に対し》

 西沢社長「復配というのは大事であろうと思う。さきほど冒頭でお話ししたが、経営が悪化している。そのために無配を当面継続せざるを得ない。経営の立て直しをしっかり図りたい。そのうえで、株主の皆様のご期待に応えたい」

 《怒号がまたも…》

 勝俣会長「たくさん手が挙がっていますので、次の株主の方にいきたいのですが? またご質問受けさせていただきますので。他にご質問いかがでしょうか」

 《この株主の質問をさえぎり、次の株主へ》

 別の男性株主「2430番です。藤本副社長にお願いしたいが、初めて知ったが、緊急時の圧力ベントですが、圧力を抜けば、爆発事故を防げたと思うが、放射性物質の除去フィルターがついていないと聞いた。それで今回の大事故に発展したのではないか。今後、(東電が持つ原発の)柏崎や福島第2にフィルターをつける予定は、またはもう付いているのか?」

 小森常務「ベントにつきましては、皆さまにご心配をおかけし、おわび申し上げます。苛酷な事故に対する措置で設置していたが、プールの水に通すやり方がございまして、そちらを実施した。これを実施すると、水に溶ける物質が吸着し、放射性物質が減らせるという設計方式を採用していた。しかしながら、今回の事故を考え、世界をみると、フィルター付きのベントをつけるよう検討を進める」

 《株主の質問が続く》

 勝俣会長「アリーナ席中央2ブロックの方。株主さま、お願いします」

 男性株主「毎回、株主総会は来ますが、10年前も原子力発電所がいろいろ問題になりました。そのときは、勝俣さんが副社長でした。一応、その収拾が終わって発電できるようになった。去年3月に、この会社は解散して、破産して清算するのかなと思いました。でもなんとか復配はなくても会社が存続したのは良かったと思ってます。存続したのは、ご苦労さんでした」

 《経営陣への批判が多数集まる中、苦労をねぎらう質問に拍手があがった》

 男性株主「福島で津波を受け、放射能の影響も受けている。津波とか放射能とか、何年かたったときに、片方の人は200万円、ある人は350万円とか、みんなが納得するようにしてほしい。東電がどう補償するかはしっかりしてほしい」

 「電気料金、大口にはいま(値上げを)お願いしてます。納得する人は高い料金を支払う。または従来の低い料金で頑張った人と、高い料金をのんだ人で、何年かたったときに、高い料金払った人に、将来、お返しするのかとかはどうか」

 「次に、今、従業員で頑張っている人に対して評価したいと社長は言ったが、去年3月の前までは2000円くらいした株価が、150円とかで推移してますから、(株を持つ)勤め人としては頑張れない。精神障害の人も出てくると思う。どうサポートするか。経営の皆さんもきついだろうが、従業員も厳しいですから、人事の労務管理をどうするか。料金や賠償の話と、従業員にどう頑張ってもらうか」

 《広瀬直己常務が賠償について答える》

 広瀬常務「損害賠償について努めて参ります。津波や地震で損害があったものと、放射能で損害があったもので分けるのは難しいが、公平な賠償を進めたい」

 《公平な値上げについて高津浩明常務が答える》

 高津常務「全てのお客さまにご理解いただいているわけではない。経営状況を伝えて、合理化をしっかりやって、それでも足りない部分を何とかお願いしたいと。現時点ですが、5月までの契約者には9割のお客からご了解をいただいています。一生懸命ご説明をして理解をいただけると思っています」

 《山崎雅男副社長が社員へのサポートについて答える》

 山崎副社長「会社はかねてから、精神科の専門医を配置したり、カウンセリングの窓口を設置しています。今後とも配慮していきたい。働きがいについては、やはり各自がやった仕事の成果を感じられる仕組みを作りたいと思っています」

 《続いて、賠償の相殺など、専門的な質問に答えていく》

 男性株主「賠償金の過失相殺についてお聞きしたい。まず賠償について。一方的に、東電が悪いといわれるのはおかしい。自治体も補助金をもらっていたはずで、その点を洗い出して裁判を行うべき。電気料金、コスト削減や規制の撤廃をやっていただきたい」

 《賠償の相殺について、広瀬常務が答える》

 広瀬常務「原子力損害賠償法に基づく、公平公正な損害賠償に努めております。ご理解をいただければ」

 高津常務「総括原価方式ですが、ある意味では大変公正な方式。ルールに基づいて厳正に審査していただいています。事業経営をしっかり行い、合理化して利益を。昭和55年の値上げ以来、10回にわたり値下げをしてきたこともあります。電気はきわめて必需品ということですが、今回、苦渋の決断で値上げをしますが、よろしくお願いいたします」

 《勝俣会長の「株主さま、お願いします」の声で議事が進む》

 男性株主「まず株主数の増減数はどうなっているのか。新聞報道でもあったが、上位株主に中国系ファンドがいる。それと、これまでの役員の答弁にはやる気が感じられないが、本当に原発問題を真剣に考えているんですかね。そこらへんお願いします」

 《鼓副社長が、株主数について事務方からの数字を読み上げる》

 勝俣会長「役員答弁にご指摘をいただきましたが、大変申し訳ありません。しかし、みな必死にがんばってお答えしているのでご了解いただければと思います」

 《株主からの質問が続く》

 男性株主「2点ある。議案第1号の定款変更ですが、配当は優先株の株主に優先的にするとしているが、普通株の株主とどう違うのか。2点目は議案の採決についてどんぶり勘定で決をとらずに、正確に数えて決をとってほしい」

 《内藤義博常務が配当について説明すると、すぐに勝俣会長が引き取る》

 勝俣会長「議案の採決についてご意見をいただいたが、本日ご出席の大株主を含めて適切に把握している。したがって、全数のカウントは必要ないものです」

 《大きなヤジが飛ぶが、勝俣会長は意に介さない。質問内容も徐々に東電批判一色から、変化がみられ始めた》

 男性株主「まず(原子力損害賠償法の)免責を申請するのか、しないのか。個人株主としてはある時期はすべきだと思う。すべて東電が極悪非道という扱いを受けているが、(原発)事故が起こったときの最悪のリーダーや、政権幹部の情報隠しなどが原因になっている。その責任が東電より問われるべきだ」

 《大きな拍手が起こる》

 「したがって、免責の措置は申請していいと思う。2点目は廃炉の年数が40年に決まると言われているが、40年に技術的根拠はあるのかどうか。チェルノブイリ事故の影響を受けたスウェーデンは60年だったはず。それから3点目は、勝俣会長と(福島第1原発の)吉田(昌郎)前所長ですが、勝俣会長は現職であるから言いたいことも言えない。退任した後、本当に何が起こったのか、政府はどういう対応をしたのか。そういうことを言う、もしくは書く機会があれば。もっと答えてほしい」

 「それから当時の最悪のリーダーが東電に乗り込んで罵詈雑言を浴びせた録音テープがあるというが、それがあるのかないのか。(震災時)そういうリーダーだったのが日本にとって不幸だった。テープがあるのなら、それで本当の責任がほかにあるということをもっと証明してほしい。今回の問題は吉田前所長やスタッフが、最悪の事態を脱したことには評価していい」

 《質問時間を超過し、株主からヤジが飛ぶ。勝俣会長「お時間だいぶ過ぎていますので」と引き取り、話し始める》

 勝俣会長「原子力賠償法の免責措置が可能かどうか、検討した。しかし、被災者を相手に裁判するので難しいということで、やめた。ただ、原子力損害賠償法と原子力損害賠償支援機構の見直しをするという条項があるので、今後、国の責任はどうなのかという議論が行われると考えている次第です」

 《小森明生常務が廃炉期間について説明すると、勝俣会長が再び語る》

 勝俣会長「(事故時のことを)もっと将来語るということですが、会社として事故報告書をだした。これから国会事故調の報告書も出てくるが、まだまだアンノウン(未知)の要素もある。その時点で公表することになるのでよろしくお願いします」

 山崎雅男副社長「(当時の菅直人)総理が来られたときの録音テープはありませんが、テレビ会議の画像がある。われわれは事故調査において社内資料を見て、テレビ会議の画像を資料のひとつとした。また、プライバシーの一つで、公開する予定がないと言っている」

 《質疑が続く》

 男性株主「福島に住めなくなって石川県に避難しています。昨年、脱原発を株主提案させていただいた者です。本当に福島の人に寄り添うとしたら、住所を役員の方々は福島に移したらどうか。本社機能を福島に移して、皆さんが線量が高いところで生活を共にしてはどうか」

 《男性株主の声に力が入り、会場からは大きな拍手が起こる》

 西沢社長「福島県の皆さまにはご迷惑をお掛けしております。当社は今、福島原発の安定化、賠償、安定供給の3つを最重要課題として取り組まなければいけない。福島を軽視しているわけではございません。ぜひ復興に参加して一生懸命やっていきたいと思っています」

 《会場からは批判の声が上がる》

 男性株主「先ほど政治献金はしていないと言っていたが、真っ赤な嘘だ。東電は自民党に個人献金に見せかけて政治献金している。今回の事故は自民党・東電原発事故だ。津波によって冷却装置が壊れた場合に備えて至急改善しろという要望書が2007年に出ていたはずだ」

 《会場からは大きな拍手と歓声が上がる》

 鼓副社長「当社としては政治献金をしていない」

 《株主席から「嘘をつくな」などと大きな怒号が上がる》

 男性株主「事故の責任について、東電の過失によるものと、国がどういう指導を行っていたのかをはっきりさせて、本当にこの会社が負担すべき補償額を確定すべきだ」

 西沢社長「しっかりと検証をして、先般、最終報告として取りまとめさせていただいた。今回、事故を起こしたことについては本当に申し訳なく思っている。総合特別事業計画に基づいて、賠償、安定供給に取り組んで参りたい。今後、新しい事象が出てくれば、その都度、情報公開をさせていただきたい。国との責任の分担についてはきっちりと議論をしていきたい」

 男性株主「原発政策を進めてきた政府の責任は何で問われないのか。『原子力反対だ』なんて言っている日本人は恥ずかしい」

 《会場から男性株主の発言に対する怒号と批判の声が上がる》

 男性株主「今後の東電の責任の範囲はどうなるのか」

 勝俣会長「被災者の賠償の方法も含め、自ら率先して国の支援をいただきながら進める。当社の合理化を含め、血のにじむような努力をしつつ、今後考えていきたい」

 男性株主「何点か質問がある。他社に取締役に行く人がいるが、安く東電に商品を納入してくれるのか。あと水のデータ、東京都で汚染が見つかったが、除染費用は賠償するということか。千葉などでの除染も賠償するということでいいのか」

 《男性株主が矢継ぎ早に複数の質問を述べ続け、会場は静かになる》

 (福島第1原発)2号機に関して、地下で再臨界が起きているのではないか。核燃料の価格について、福島原発(1~4号機)は廃炉になっているのに、なぜまだ帳簿にのっているのか。原発については、原発の常用電源は津波でなくて地震で壊れたのではないか」

 《男性株主からの数多い質問に、経営陣が答える》

 勝俣会長「(今回の株主総会後に)退任する役員には、他社の取締役に就任するものもいるが、他社から依頼を受けたもの。ご理解たまわりたい。なお、西沢社長はどこにも役員に出ていない。よろしく、どうぞ」

 《株主代表訴訟について》

 西沢社長「代表訴訟への手続きについてですが、ご存じのように昨年、株主から監査役に提訴の請求書があった。5月11日の取締役会で、各自ごとに手続きをとっている。本人を除外して決議を行い、監査役の同意を得て取得している。会社法にのっとって、適切に処理している」

 《少し場内がざわつく》

 《福島第1のストロンチウムの状況について》

 小森常務「(汚染水の)ストロンチウムについて、放出しない設備について、信頼性の向上に努めたい」

 《原発事故による除染対応について》

 広瀬常務「(福島第1原発事故に伴う放射性物質の拡散による)除染の費用についてですが、国の方から私どもに費用が給付される。それで適切に対応したい。特措法以外で申し出があれば、適切な対応も行いたい」

 《福島第1の原子炉の「冷温停止状態」の意味について》

 小森常務「通常のものと異なり、1~3号機を観測し、(原子炉内の)温度が下がっているところで判断した。直接の燃料では(放射能濃度が危険で)測れないので、冷やしている水など格納容器の温度が100度を下回り、(放射性物質の)放出量も安定的に下がっていることで、低温停止状態とした」

 《新潟県の柏崎刈羽原発について》

 相沢副社長「柏崎が傾いているのではないかという話ですが、強度上の問題はないことが十分な審査のうえで確認されている。国、県から確認されている。長岡平野の断層などの活動について、これも連動の可能性もあることで、詳細に中身を含めて、設計上の問題がないか考えている。柏崎の安全性の強化、シビアアクシデントなど、われわれ一丸となって努力をしてまいる所存。結果については地元、関係者の各位にできるだけ、ご理解いただくべく積極的にご説明したい」

 《東電の会計上の核燃料の扱いについて》

 武井副社長「福島第1の1~4号機は、原子炉に装填(そうてん)された核燃料と、未使用の核燃料があるが、3・11以降、1~4号機は事実上の廃炉との意思決定をしたので、帳簿価格に残すわけにいかないので、減損処理が必要になり、核燃料の帳簿価格計448億円を資産から落とし、災害特別損失に振り替えた経費処理をしている。福島の事故を踏まえ、適切な(核燃料の)保有量がどうあるべきか、検討している」

 《米国のシェールガスの活用について》

 荒井常務「4~5年前を考えると、米国の天然ガスの価格、欧州の価格、アジアに来るLNG(液化天然ガス)価格が上がったり下がったりしながら推移している。その後、米国内でシェールガスの開発が進み、米国の価格が極端に安くなった。シェールガスを日本に持ってきたら、生の天然ガスなので、まず液化しないといけない。ただ、将来的に安い値段が継続するか、専門家で疑問を感じている人が多い」

 「私どもはLNGを受け入れる実績、ノウハウがあるが、受け入れ設備の制約がどうしても生じる。実際にシェールガスがLNG化して出てくるのは数年後。2015、16年度以降の話だろうと思う。価格がその時点で、今とは違ってくると思うと予測しており、さまざまな問題もある。燃料調達で安定的に、また価格が安いか高いかを総合的に勘案するので、現時点では難しい。そうは言いながら、米国のシェールガスを受け入れる検討を進めているのは事実」

 《福島第1原発が「地震で壊れた」と認めてくれ、との株主の質問に対し》

 山崎副社長「公表したわれわれの事故調査について、プラント、地震解析、目視点検など総合評価し、地震によって設備は壊れていないという結論です」

 小森常務「電源系の耐震の考え方ですが、万が一壊れても、安全系の電源で復旧する設計。(今回の震災では)津波が襲い、予熱機能が生じてしまったのが事故の直接的要因と報告書に書かせていただいている。(福島第1の)2号機について、再臨界の懸念があるとおっしゃるが、現状は再臨界はしていないと判断している」

 《株主総会は午前10時の開会から、休憩は1度もなく、約4時間が経過した。まだまだ経営陣と株主との質疑が続く》

 《勝俣会長は、アリーナ席右側の男性株主を指名した》

 男性株主「福島第1原発事故以外にも多額の賠償で株主も損害を被った。しかし、この事故の責任は東電よりも政府、国にあると思う。1966年に福島原発の安全対策も含めて国に申請して、政府は許可を出した。それで初めて建設できた。津波については6・5メートルまでと想定して防波堤を計画したと聞いているが、これで政府は安全面で心配はないとして許可した。6・5メートルの想定では安全面で不十分で許可しないとかあれば、事故はなかったわけです。政府が安全審査を緩やかにしたからこういう事故が起こった」

 「過去の津波についてみてみると、1854年の安政南海地震では15メートルの津波があった。1896年の明治三陸地震では、現在の大船渡市で38・2メートルと今回に匹敵するような津波が起きている。1923年の関東大震災では熱海で12メートルの津波があった。1944年の東南海地震では熊野灘で8メートルの津波があった。こういうように6・5メートルの防波堤を上回る津波が何度も起きている」

 「それなのに6・5メートルでいいんだと政府は許可した。さらに驚くべきことは、福島原発建設の後、1993年に奥尻島で16・8メートルの津波があった。それなのに、政府は津波対策の見直しを東電に命じなかった。こういう点を根拠に、政府に責任があるんだから、損害賠償を全て政府に負担するように抗議してもらえないか」

 勝俣会長「政府の賠償責任については、これまでも種々お答えしておりますので、ご意見として承ります」

 男性株主「新たな規制委員会の設置に協力するために、東電がこれまで行ってきた研究者(への支援)や金額を政府に通知してほしい。国会の両院の環境委員会に通知する必要があると思います。東電、または東電のお金が電事連などを通じて献金されたお金について、研究者の所属や額を公開するようにお願いしたい。また、原発の作業員を見つけてくるのに、暴力団関係者が手配師となってピンハネしているという報道もあるが、働く人には東電の支払ったお金がしっかりと渡るようにしてほしい」

 《原子力規制委員会の委員への研究費について、相沢善吾副社長が答える》

 相沢副社長「これまでの研究の中身が、われわれの意図に沿うようにするためにお金を出したということは一切ありません。また、相手先の研究費やお名前というのは相手先があることなので差し控えたい」

 《株主から怒号が上がるが、勝俣会長は暴力団関係者の関与について、内藤義博常務を指名した》

 内藤常務「暴力団関係者の関与や、一部が逮捕されたという報道があるが、報道を受けて、福島第1暴力団等排除協議会を立ち上げて、何度か周知徹底を図っています。作業員の方ご自身が見やすいところに相談窓口を設けて、ピンハネがないかを訴えやすいように努めています」

 《勝俣会長が別の株主を指名した》

 男性株主「今、原発がすべて止まっていて発電コストが高い発電をしているが、その費用を株主が負担すべきなのか。税金で立て替えてもらうのはできないのか。それが1点。また、東電も福島にメガソーラーを建てたが、メンテナンスはどのくらいかかっているのか」

 《西沢社長が燃料費負担の増加について、山口博常務がメガソーラーの状況について答えていく》

 西沢社長「燃料費の負担についてですが、価格の変動を皆さんに負担していただいてまして、上がる場合も下がる場合もあります。今回、原発が止まったことで大幅に(負担が)増加しています。これについては電気の供給で利益を受けているお客さまにお願いしております。なにとぞご理解を」

 山口常務「直流回路のトラブルがあり、修復しているものであります。致命的なものではなく、修理はわれわれが担当しています。福島のメガソーラーはネットに出力を表示しています」

 男性株主「長い間、質疑を聞いていて、一株主として勝俣会長に一言だけお願いと、監査役に一言申し上げたい。(福島第1原発事故で)多額の賠償が必要で、東電ができるだけのことをするのは事業者の責任です。事業者の責任は死ぬまで。勝俣会長は東電が死ぬことを選ばないで、国の支援を受けることを決めた。株主としてみると、東電は創業以来、基本は個人株主、金融機関など国の資本が入らなかった。しかし、その企業が公的資金を注入し、国の会社になる。安定株主として東電株を守ってきた人に、勝俣会長から一言おわびを言ってほしい」

 「今日、どんな約束をしたって、明日からは国の支配のもとに(経営の)決定がなされる。しかし、東電の生きる道、生きてきた道は電気を使っていた需要家と、株主のためにあったはずです。だから、国に会社を売りましたが、賠償のために電気料金を一生上げません。決してお客さまには迷惑をかけないと誓ってほしい」

 《謝罪を求める株主に対し、勝俣会長がどう答えるのか-。株主が固唾をのんで見守る》

 勝俣会長「正直、(事故)当時は原子力損害賠償法の免責が適用になるかどうか、あるいは会社更生法で破綻するのか、どれが一番いいのか会社で話した上で、本日の結論になった。問題は(東電が)再生することができるかどうか、それが一番腐心したことです。(原子力損害賠償支援機構の出資)比率についても種々交渉したが、残念ながらこう(過半数取得に)なってしまった。再生とは社債が発行できるなどの形になって、いわば自立できるようになること。これは大変厳しいものがあると思っているが、下河辺(和彦)新会長以下、頑張っていくということで後事を託しました」

 《少し間を置き、勝俣会長が静かに語り始める》

 「いずれにしろ株価がここまで下落し、信用、信頼を全く失うまでなってしまうこと、それは私はこの10年間、社長、会長を務めてきたので責任が重い。大変申し訳ありませんでした」

 《一部怒号が飛ぶが、率直な謝罪に静まる会場。勝俣会長は次の株主の質問を受け、議事を進める》

 男性株主「私も原子力損害賠償法について、申し上げる。同法のただし書きは非常に大きな災害などのときは免責すると定めている。非常に巨大なというのはどういう意味かについて、当時の枝野(幸男)官房長官は人類の予想もしていないようなものなどとして、(福島第1原発事故には)適用されないと言っていた。人類が予想もできないものとはどういうものか。賠償責任の有無を裁判所において検証すべきだと思うがどうか」

 《会場が大きな拍手に包まれる》

 「また、国の原子力政策に従って、原発の建設運転に関わる資金は民間電力会社が負担してきた。その中で(福島第1原発)事故が起きた。しかし、原発の設計基準は国が定めている。それに従って電力会社がつくってきたのだから東電は、国に損害賠償を責任すべきだと思う」

 《さらに大きな拍手が起こる》

 「最後に会場にいる猪瀬(東京都副知事)さんにお聞きしたい。東電の社外取締役として以前、東京都副知事がいたが。この方は一体どんな仕事をしたのか」

 《質疑が続く》

 勝俣会長「現在、原子力損害賠償法16条で国の支援を受けています。この時点で裁判を受けるわけにはいかないと思っている。青山取締役は東京都の副知事でしたが、営業開発関係で貢献してもらったと考えている」

 男性株主「株主の決をとる際に、きちんとここにいる人たちの数字をとって決をとってほしい。先ほど被災地のものを食べて『大丈夫だ』という方がいたが、1年や2年で症状が出るわけがない」

 《会場から拍手が上がる》

 勝俣会長「書面投票の結果や大株主の意思表示で必要な議決権の数を適切に把握できるのでよろしく了解していただきたい」

 小森常務「福島県においても健康調査が行われている。引き続きご協力させていただきたい」

 男性株主「東電は人件費を削減しないとけない。固定費の割合が高い。こんなに高くては、2割も3割も電気料金が下がれば収支がとれないではないか。燃料価格の高騰で説明しているが、いい加減な説明だ。もっとコスト削減をすべきだ」

 山崎副社長「人件費のカットの問題だが、組合員については2割ということで人件費の削減をして料金の審査を出している。私どもとしては10年間、人件費で1兆円以上、かなり切り込んでおり、精いっぱいやっている」

 《会場から批判の声が上がる》

 勝俣会長「情報(開示)に関しては常時取り組んでいる」

 西沢社長「経営合理化を進めて参りたい」

 男性株主「電力会社は公益事業でただもうけるだけの会社ではない」

 西沢社長「節電を現在お願いをしているが、電気の合理的な利用をお願いしたい」

 勝俣「審議も尽くされたかと思います。あとお1人だけ」

 《勝俣会長の発言に会場が大きくざわめく》

 女性株主「どうして女性を排除して議事をどう進めていくのか。女性を排除した結果が昨年の事故ではないか。女性の声を聞こうとしないで新生東電はあり得ない」

 《一部で拍手が起き、勝俣会長も軽くうなずいたようなしぐさを見せる》

 「これまでの質問で『責任は国もある』という人がいたが、ここは東電の株主総会なのだから、それは場違いの議論だ」

 《会場から大きな拍手と歓声が上がる》

 「東京電力の責任をよそに置いたような質問を、福島の人が一体どんな気持ちで聞いているのかと思うと、私は悲しい思いになった。これは天災ではなく人災だ。福島原発より震源地に近い女川原発は同じように事故を起こしたか。なぜ東電の原発だけがこういうことになったのか」

 《女性の声に力が入り、会場中が静まりかえる》

 「新しい役員には再出発をしていただきたい。柏崎が安全だという安易な評価のもとに原発を再稼働させていくということも聞いているが、原発の再稼働を東電への融資の条件にするというのは別問題ではないか」

 《勝俣会長が軽くうなずく》

 「原発の安全と融資の条件とは別ではないか。再稼働自体を許すべきではないが、原発の再稼働を原発の賠償の条件にするなどというのは恥ずかしいことだ」

 「先ほどから東電が被害者に向かって『親切に』と言っているが、加害者が被害者に『親切で』という言葉を使うのは筋違いだ。『親切』や『寄り添う』という言葉は、加害者が被害者に使う言葉ではない。その言葉が福島の人をどれだけ逆なでするか。『親切』という言葉は撤回しろ」

 勝俣会長「決して、女性を排除したつもりはありません。(株主からの指摘通り)女性で手を挙げた方をご指名しようと思う。事故の原因については、小森常務から」

 小森常務「(東日本大震災で)女川、東海(の各原発)は津波でやられず、なぜ福島第1だけか。事故報告の中で説明しているが、東北電力さん、日本原電さんにおいて解析手法、地震による波源など、マグニチュード9を超える津波の大きさは異なったが、同じ手法を用いて設定している。報告書に記載通りです」

 《柏崎刈羽原発について》

 西沢社長「ストレステストをやっているが、決して再稼働ありきではない。国の審議などを踏まえ、皆さんにご説明して、なにとぞご理解いただきたい」

 《賠償について》

 広瀬常務「ご意見としてたまわる。私どもがしっかりしないといけない。これからも一生懸命やらせていただく」

 勝俣会長「先ほど、私は『(株主からの質問を)あと1人』と申し上げたが、女性への質問ということで、あと2人ほど女性を指さしていただければと思う」

 《少し場内ざわつく》

 女性株主「5500番です。勝俣会長にはいろいろ言いたいことがありますが、まず会社提案について電力料金値上げによる実質国有化には私は反対です。議決権行使、これから採決にあたって、ちゃんと数を数えてほしい。今回、個人、東京都、提案株主が5~14の議案を出している。万が一、否決があったとして、議決権の10分の1以上の賛成が得られないと、来年提案を出せない。ちゃんと数えていただきたい」

 「次に質問として、株主代表訴訟で、代理人の弁護士に対し、(東電が)報酬をいくらお支払いする予定なのか。訴訟費用は(東電に)公的資金が注入されるので、税金を使う。いくら使うのか、明らかにしてほしい。以上です」

 勝俣会長「採決方法ですが、何回も申し上げたが、インターネット投票、出席された方々の挙手を含め、所要の3分の2を、ということですので、カウントすることはとてもこの状況では難しいので、ご容赦願えればと思う。正確な数字については、後日の報告書で明らかにする。それを来年の参考にしていただければ」

 西沢社長「弁護士5人に訴訟代理人を依頼している。費用は訴訟に参加する上で適正な金額を負担することになるが、個別の契約になるので回答を差し控える。なにとぞ、ご理解いただきたい」

 《株主からの質問の受付はあと1人に》

 勝俣会長「それでは、もうひとかた。アリーナ席中央の…」

 別の女性株主「2243番です。えーと、まず福島からいらしている方に、ネットなどで中傷まがいの風評があると思うが、とても恥ずかしい。えー、私(東電の)株主になったのは昨年です。どうしても、聞きたいことがあり、何で初めから核のごみが出るのを知っていて、何で原子力がそんなに好きなのか。10万年も先のことは想像がつきません。それと私は普段、製造業の仕事をしてますが、燃料費のことでいつも誰も円高をいわない。燃料費が上がっても、円高でどういう風になるのか誰も言ってくれない。誰かにごまかされている気がする。その辺を答えてください」

 勝俣会長「はい、それではなぜ原子力をやるのか。西沢社長から」

 西沢社長「原子力につきましては、ご質問にありましたが、放射性廃棄物が出るのは確か。きちっと管理し、再処理してという方向で進められる。安全確保が第一です。現在、国で原子力政策をどうするか、国民と議論しながら進められる。われわれも見守っていきたい」

 勝俣会長「燃料費における円高の影響を、高津常務から」

 高津常務「確かに円高でございます。燃料費そのものが値上がりしている。石油とLNG(液化天然ガス)と石炭があるが、全体としては燃料費が値上がりしている。(特に)LNGが値上がりしていることをご理解いただきたい」

 勝俣会長「それでは、議案採決に移ります」

 《拍手と怒号が混じる。株主総会は、開始から5時間22分が経過。勝俣会長が株主との質疑を打ち切り、議案の審議に入る》

 《最後の質問が終わり、議案の採決が始まった》

 勝俣会長「第1号議案に賛成の方は挙手を。書面も含め賛成が3分の2以上と認めます。次に第2号議案について。賛成が3分の2以上と認めます…」

 《勝俣会長は粛々と進めていくが、株主からは「動議! 動議!」が連呼される。第1号から第4号まで可決されたところで、勝俣会長が修正動議を求める株主を指名した》

 男性株主「1号議案について修正動議! いいですか! 1号議案の修正動議。取締役の責任免除の削除を」

 勝俣会長「すでに1号議案は可決されておりますので、ご理解いただければと思います」

 勝俣会長「第5号議案について賛成の方は挙手を。反対多数と認めます。本議案は否決されました」

 男性株主「修正動議! 東京都が提案された議案があります。第9号議案です。『老朽火力発電所について』民間事業者を利用し、環境負荷の少ない火力発電所に入れ替えを図るというのを『老朽火力と原子力発電所について』というように修正していただきたい」

 勝俣会長「賛成の方は挙手を。反対多数と認めます。否決されました」

 《勝俣会長は次々に議案の議決を進めていく。東京都など株主提案の議案はすべて否決。実質国有化に向けた定款変更などの会社側提案だけが可決された》

 勝俣会長「これをもちまして、全ての議案を議了いたしましたので閉会いたします。新たな取締役を紹介するとともに、新たに会長に就任予定の下河辺和彦氏よりごあいさつ申し上げます」

 《原子力損害賠償支援機構の運営委員長から、東電の会長に就任する下河辺氏らが紹介された》

 下河辺氏「新取締役に選任されました。会長として賠償、廃止措置、安定供給を確実に進めるため、先頭に立って事に当たります。新生東電の状況は改めて言うまでもなく非常に厳しく、乗り越えないといけない課題が多数あり、新社長の広瀬直己取締役、ご参加くださった社外取締役の方々、グループの5万人の方と一緒に、心を一つにして誠心誠意努力します。株主の方には新生東電の支援をよろしくお願いいたします」

 《総会終了は午後3時31分。5時間31分におよび、大荒れとなった議事とは裏腹に、株主の怒号が飛び交うこともなく、最後はあっさりとした幕引き。公的管理下で再建を進めるといういばらの道が正式に決まった》




この国に自主独立の“未来”が、果たしてありうるのか?
もはやヲレには判らない。
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://dencyugumi.blog94.fc2.com/tb.php/600-c4523172
    この記事へのトラックバック


    最新記事


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。